「八回、九回が面白い」はわかる。それでも、高校野球「7イニング制」に理解を示したいワケ
日本高野連は今年9月の国民スポーツ大会の高校野球で7イニング制を導入すると発表している。
聞くところによると、まずは国スポからだが、高野連は公式戦を全国一律で7回制に短縮することを検討し始めているそうだ。
最近の温暖化の影響で、夏の高校野球が行われる7、8月はもちろん、6月でさえ最高気温が35度以上の「猛暑日」が多くなった。そんな酷暑の中で激しい運動を行うことは、選手の体に深刻な影響が出る恐れがある。7回制は聖地・甲子園で大会を続けるための切り札になるのか。野球の質の変化は受け入れられるのか。試合時間が短縮されれば、午前と夕方に分けて行う2部制が、全日程で可能になるかもしれない。
阪神の元選手として涼しい京セラドーム大阪の快適さは前回述べた。甲子園と京セラドームの併用は、あくまで「8月に全試合を甲子園で行う」ための提案である。
他のスポーツでも選手に配慮した取り組みがある。7月後半に行われるインターハイ男子サッカーでは、比較的涼しい地域での開催が模索され、昨年から福島県での固定開催となった。インターハイの試合時間は70分(35分ハーフ)。冬の選手権大会は準々決勝まで試合時間は80分(40分ハーフ)。プロの90分(45分ハーフ)より短い。サッカーは柔軟である。